ここ暫くは特に腹の内に他人への憎悪が浮かぶことはなかった。
基本的に自分は自分との戦いに忙しい。
だから、ほとんどの場合は他人の話など無関心だし、聞きたくもない。
特に他人から自分に対する干渉なんてあろうものなら殺意を抱くほどに腹立たしい。
おめえらは俺を変える能力がねえ癖に干渉するんじゃねえって思う。
そう。俺は余裕がない。
余裕がない状態であれしろこうしろとか言ったところで聞き入れるわけがねえ。
無視して当然。無視されて腹立てるなんてものはお門違いにもほどがある。
立場の優位性と言うものもおれは大嫌いだ。
自分が優位に立てば人として終わったようなマウントを取りがちになってしまうことに自己嫌悪に陥るし、他人がその立場に居れば当然の如くマウントを取ろうとしてくるのが本当に気に入らない。
多分自分が優位になった時のマウント癖はこういうクソみたいな環境のせいである。俺自身が嫌悪していることなのにしてしまうのは環境が悪いよ環境が。
理性で律しようとしても、育ちが悪いと無意識の内に溢れ出てしまうものだ。
だから俺は社交性と言うものを全く持ち合わせることが出来なかったのだろう。
本当に恨めしい。実に腹立たしい。
俺はクリエイターになりたい。
イラストもまだまだ。ゲーム制作もまだまだ。実力が足りてない。
その足りない実力を学習と訓練によって身に着けたい。
だから時間が要るのだ。そして、それに集中できる環境が必要なのだ。
俺は変に記憶力がある。
整然とした内容で分かりやすく学習できればほぼ確実に覚えるし、
自分の失敗、他人の暴言までくっきりと覚えてたりする。
だから俺を害する言葉を発する人間は一人残らず消滅してほしい。
そう思うだけ。でも実際にはそんなことは起こり得ない。
自分を肯定し、励ましてくれる環境を掴み取るほかない。
今の自分はその環境を掴みかけている。
そんななか、自分を害する言葉を吐きかける人間が身内に居る事実を思い起こさせされたのは本当に不愉快極まりない。
まあ、そりゃ俺に対して不満があるのは当然だろう。
そんなことは言われなくとも百も承知。
それを言ったところでマイナスにしかならないということに一生気付かないんだろうか。
一度は面と向かって言うべきなんだが、他人を前にしたら言葉が詰まりがちになる。
本当、自分のコミュニケーション能力の低さを恨めしく思う。
まあ、このコミュニケーション能力の低さも全部環境のせいなんだがな。
元々俺は積極的にコミュニケーション取れる人間だったんだよ。
言うべきことをズバッと言える人間だったんだよ。
全部環境に壊された。
納得の行かない理不尽によって踏みにじられた。
自分に要因があったか?あるでしょうね。
でもそれは環境との相性が致命的に悪かったというだけの話。
不幸な連鎖の結果。それにおれは巻き込まれただけ。
ぜーんぶ他人のせい。ぜーんぶ環境のせい。
自分に100%の原因があるとは一切思わないことにしているし、むしろ自分の責任割合はほぼ無いに等しいと思うことにしている。
そうすることでしか、自分の今のこの腹立たしい思いは拭えない。
本当に罪深い。いつこの誰も幸せにならない状態から抜け出せるんだ。
俺は人を尊敬できる人間になりたい。
しかし、今の自分は人を敬えるほど心が澄んでいない。荒み切っている。
早く抜け出したい。
だが、そうするには時間がかかる。
現状の生産性が低すぎる。
マジでつらい。